ブレイク-エイジ外伝
     虚構世界の真実


  Ver6.2  「出会いの旋律」


 多恵香がコニーパレス鶴ヶ島店を訪れたのは10時頃だった。

「おはよう。今日は元気がないね」

 聖がカウンターから声をかけるが多恵香は気付かずにコニーパレスの中をぐるりと見回した。

「・・・まだいないか」

 お目当ての相手の姿は見えない。

「多恵ちゃんてば」
「え」
「おはよう」
「あ、おはよう」

 暫し二人とも沈黙する。もっともなんとなく話がとぎれてしまって言葉の続かない多恵香とちがい、聖の方はただカウンターの奥に物をとりにいっただけだ。すぐに目的の物を手に戻ってきて多恵香に手渡す。

「・・・これは?」

 多恵香の手にあるのは一枚のディスクだ。それが、書き換えたVPのデータである事は多恵香にもわかる。

「待ち合わせのお相手は開店直後から来てるよ。それで入ってこいって言伝て」
「!?」

 多恵香は、慌ててコクピットの方を振り向いた。さきほどは気付かなかったのだが、コクピットが閉まっているのにリプレイがかかっているモニターがある。

「1番が空けてあるよ。行っておいで」

 そう聖に促されて、多恵香はエントリーカードをカウンターに置くと、ヘルメットを持ってコクピットに向かった。


─── 登録確認 312-SA0032 タエカ・アマノ ───

─── ヘルメット及びシートベルトを着用してください ───

─── 着用無き場合 すべての操縦システムは作動しません ───


 多恵香は少し迷ったが、ウラヌスではなく聖から渡されたディスクをインサートした。マスターシステムはその動作を確認し、すぐにそのディスクからデータを読み込みディスプレイにVPのCGを浮び上がらせる。
 現れたVPは、ワルキューレ。ティターニアと同時期に出た、サードパーティ製のレディーメイドVPで、ある程度の高機動と安定性を兼ね備えた人気VPだ。容量の余裕は弱冠少なめだが、カスタムに困るほどではない。それに、容量をかなり外装甲の曲面の保持に使用している為、比較的容易に容量を確保できるので、実際にはかなりの余裕を持って設計されたVPと言えるだろう。一時期、いかに外見の優雅さをそこなわずにカスタムVPを作るかが、一部のパイロットの中で競われたりもしていたらしい。
 とは言え、ディスプレイに表示された“コンチェルト”と名付けられたVPは、どう見ても“どノーマル”のワルキューレだ。多恵香は肩透かしをくらった感じで、軽く息を吐く。


─── 今回の任務を伝える ───


 唐突に渋い男性の声色が、TENの思考の中に割り込んできた。

「ストーリーモード?」

 反射的にポツリと呟く。その声の話した“キーワード”は、ストーリーモードが選択されている事を示していた。
 モニターに目をやると今回のミッションの詳細が映しだされている。

『はい、まだ誰もクリアしていないシナリオだそうですよ』

 予期せぬ返事がコクピットに響く。

「MAY!?」


─── 革命軍はジャブロー地下要塞を占拠 ───

─── その後も着々と軍備を増強している ───


 間違いようがない。その声は“エリアマスター”を駆っていたパイロットのものだ。

『お話は、シナリオをクリアしてからにしましょう』

 MAYは、多恵香の問いを遠まわしに肯定する。


─── すでにその近辺は要塞化されており、 ───

─── 状況は切迫しているのだ ───


「・・・・あなた、何が目的なの?」


─── 今回、我々バルムフィン連隊は、 ───

─── 総力を持って北部第2ポートから突入する事となる ───


『たいした事じゃないんです。でも・・・今は、内緒です♪』

 TENが幾度問い詰めても、MAYはのらりくらりとはぐらかす。


─── 突入後は各自の判断で行動せよ ───

─── 我々は陽動部隊になる。せいぜい敵さんを慌てさせてやろう ───


 結果、折れたのはTENの方が先だった。

「・・・わかった、クリアすればいいのね?」


─── 作戦の予定所用時間は60分だ 任務成功を祈る ───


『はい、私が援護に回りますから』

 突如、振動がコクピットを襲う。だが、まだハッチは堅く閉じられたままだ。


─── さぁて俺達の仕事はここまでだ。あとは頼むぜ子猫ちゃん達 ───


 ゆっくりとハッチが開くと、緑の絨毯が眼前を覆う。
 空だ。
 TENのVPは降下船に、うつ伏せに搭載されてたらしい。
 高度はまだかなりあり、一面に広がる熱帯雨林と、それを横切る大河が目に映る。
 TENの上部に固定されてたVPが投下された。


────── GOOD LUCK! ──────


 左右に見える二体のVPと共にTENもロックを解かれ投下される。

「くっ!?」

 突如、下方から次々に光の線が伸びた。対空ファランクスが、次々と降下して行くVPを襲う。

ドォーーーーーーーーン

 右隣を降下していたVPが地対空ミサイルの直撃をくらい大破した。TENは爆風に煽られながらも“コンチェルト”のスラスターを微妙に吹かして姿勢を制御する。
 他にもかなりの数のVPが破壊されたようだ。が、のこったVPの数もそれ以上に多い。コンチェルトは、低空に入ると多段式のパラシュートを開いて急制動をかけ、、無事に密林の中に軟着陸した。
 それを追うように、隣にやはりワルキューレを原形にしたであろうカスタムVPが降り立つ。

『すご~い!』

 MAYの声にあわせて下り立ったVPが周囲を見回した。

「・・・今日は、エリアマスターじゃないの?」
『エリアマスターは、対戦モードですらめったに使いませんよ。あれは偶に使ってこそ効果のあるVPですから』

 MAYの言い分は理解できる。確かにエリアマスターは、それ専用の対策をしたVPには勝てないだろう。だが、その専用の対策をしたVPでは、特殊すぎて他のVPに勝つのは非常に難しいだろう。だから、時をおいて通常のカスタムに戻った頃、また唐突に現れれば、再び猛威を振るう事ができる。そういうわけだ。
 だが、それはやられた側から見れば、気持ちのよいものではない。それをわかっているから、めったに使わないと言うのであれば、TENとしては文句はないが。

「・・・そのVPはなんて言うの?」
『“アンサンブル”と言います』

 ランスを縦に割ったような形状の2連装対戦車ライフルと、巨大な盾を持ったワルキューレを、MAYは、そう呼んだ。数種類のアンテナが小さなバックパックに装備されたいる所を見ると、遠距離索敵能力を始めとする電子戦装備を持ったVPなのだろう。

『・・・・ 敵です。2時の方向!』

 MAYが唐突に告げる。同時に、数発のマイクロミサイルが辺りに着弾した。
 振り向けば、密林用に迷彩されたボルゾイが二体こちらに向かって来ているのがスクリーンに映る。

「これ、武器は!?」
『腰のグラディウスとバックパックに接続されてるモーター・キャノンです。今持ってる物は、火薬式のレイピアですね』

 MAYの返事を聞き、ならばと白兵戦に持ち込もうとメインスラスターの推力を最大まであげる。ワルキューレそのものには乗った事があったので、最大まであげても、十分に操る自身はあった。
 だが、スラスターの咆哮が聞こえ始めると同時に、予想もしなかった圧倒的なGがTENの身体にのしかかった。レディーメイドVPでは絶対にかからない重圧。カスタムVP、それもウラヌス級の高機動VPでしか、味わう事ができない重圧だ。
 眼前にボルゾイが迫る。咄嗟に、TENは“コンチェルト”に腕をあげさせ、すれ違いざまに、ボルゾイの首を笹の葉のようなシールドでないだ。
 甲高い音が密林に響く。
 そして減速しながら背後を振り向かせてみると、ボルゾイの一体は首を失い、もう一体は、吹き飛ばされた首なしのボルゾイと密林の木々の間に挟まれてかくざしていた。追い撃ちを掛けるように“アンサンブル”の連装ライフルが止めをさす。

『早く進みましょう。ぐずぐずしてるとまた出てきそうですし』
「・・・ねぇ、このVPて貴方が組んだの?」
『はい。一応フルカスタムVPです。外見からは区別尽きませんけど』

 MAYのはにかんだ様な声を聞きながら、TENは各部のチェックをしていた。VP一台をふっとばしたと言うのにのに、腕の部分に破損はない。どういう機構をしているかはわからないが外見からは予想もつかない程のパワーと強度を備えているのだろう。MAYのVP設計者としての技量は、明らかにTENのそれを上回っている。

『・・・でも、さすがですね。その子は、私じゃ使いきれなかったんです』
「え?」

 自重ぎみな口調に、TENはふと耳をかたむける。

『装備ではなく、基本性能を追求したがゆえに、私では乗りこなせなかったんです。結果、今までの対戦成績が全敗。自信作ではあったんですけどね・・・』

 苦笑いを浮かべているのが、その口調からなんとなくわかる。

『さて、とりあえず進みましょう』
「・・・そうね」

 MAYに促されて、TENは話を切り上げると“コンチェルト”をディスプレイに表示されている目的地へ向けた。少し自分でも考えてみたい事ができていたのだ。

 暫くの間、二体のVPは道なき道を切り開いていく。ここまでで撃破したVPの数は7機。決して少なくはないが多いと言うほどでもない。

『止まって』

 密林に入ってから4回目になるMAYの唐突な通信がはいる。TENは、その通信に従い“コンチェルト”を立ち止まらせると MAYに問いかける。

「どうしたの?」
『やっと探し物を見つけたみたいです。かなり多いですよ』

 どうやら地下への入り口の一つにたどり着いたらしい。こちらのレーダーは捉えていないが、アンサンブルに装備されているレーダーは信頼に値する。

「こんどは何機?」
『13機ですね。あと5メートルも密林かき分ければ、対岸に見えるはずです』
「対岸?」
『この先、河になってるんです』
「あ、空から見えたあの大河か・・・」
『とりあえず敵VPを全期撃墜してから、渡河したいですね』
「・・・このモーター・キャノンってどのくらい届くの?」
『河幅の半分ぐらいです』
「・・・あなたの、その連装ライフルは?」
『河幅の倍ぐらいですね』
「じゃあ、お手並み拝見ね」
『お任せあれ♪』

 MAYの返事と共に、“アンサンブル”が進みはじめた。“コンチェルト”を追い越し森に入る。TENは“アンサンブル”が追い抜くのを待って、そのあとを追う。
 動きだしてすぐに木々の合間から川面の輝きが見える、たしかにMAYの言ったとおりだ。対岸にはハッチがあり、その回りを機種はわからないが、数機のVPが警戒しているのが遠目にもわかる。
 そして残りは、水上にいた。クロウラーのカスタムVPだろうと思われる下半身がホバーになったVPが川面を波立たせながら警戒している。
 “アンサンブル”は、密林の中から半分身をのりだした。そしてTENの見ている前でバックパックから一発のホーミングミサイルを発射する。
 ミサイルはあらかじめ決められていたコースを取って、大河の中程へと低空を蛇行しながら突進する。
 河の上を警戒していたVPもそのミサイルに気がついたのだろう。次々とバルカンファランクスで狙い撃つが、低空、高速、蛇行とくればそうそうあてられはしない。むしろ仲間のVPに命中させてしまい。すぐに銃撃はやむ。
 そんな敵を尻目に、ホーミングミサイルは大河の中程で急上昇を開始。早々に大河の高空に位置すると、三つに分解、エンジンの部分は大河の藻屑に、残りの2つの部分はパラシュートを開きゆっくりと降下し始めた。
 二つのパラシュートは、風に流さればらばらの方向に向かう。

「・・・あれはなに?」
『再ロック完了。“アンサンブル”高速狙撃モード♪』

 上空を見上げながらTENが呟く。そしてそれに返事をするかのようにMAYの声が繋がりっぱなしの通信回線からもれ聞こえ、“アンサンブル”は、敵のVPに向かって猛射撃を始めた。
 上下に組まれた連装ライフルは同時に発射するのではなく交互に発射する為のものだったようだ。発射の衝撃を利用して次弾を自動装填するタイプらしく。ライフルとしては画期的とも言える連射速度を持っている。だが問題はその射撃が一発も外れないと言う事だ、撃った弾丸が片っ端から敵VPに命中する。
 そして、あれよあれよと言う間に、13機のVPは残骸となった。

「・・・・うそ・・・・・」
『ご期待にはそえました?』

 MAYの笑い声が、“コンチェルト”のコクピットに響く。

『・・・スラスターを全開にすれば、なんとか向こう岸まで“アンサンブル”でも届きそうですね。“コンチェルト”なら、なんなく届きますし』
「・・・どうやれば、あんなに当たるの?」
『種明かしも、ミッションが終わってからにしましょう。それじゃ先に行きますよ♪』

 MAYはまた、はぐらかすように答え、河原まで出ていた“アンサンブル”は、スラスターを全開まで吹かして空中に飛び上がった。


THE DENGER PLANETS Ⅲ

misson clear
TEN and CONCERTO
MAY and ENSEMBLE

IN TURUGASHIMA

DEGGER



「やったやった♪」

 コクピットから出てきた多恵香は、上機嫌でカウンターに向かう。

「はぁぁ、ついにクリアされちゃったか・・・」

 そんな多恵香を、苦笑しながら聖が迎える。

「形ある者はいつかは壊れる。シナリオだって同じ事ってね・・・ってあれ?」

 多恵香は、ふと自分の手元に視線を移す。手にしているのは、エントリーカード。そしてもう一枚プリペイドカードだ。不思議に思い、視線で聖に問いかける。

「記念品だよ。今のでのべ戦闘時間が200時間を越えたんだ。五月ちゃんもいっしょにね」

 多恵香は、そう言われて思い出したかのように振り返る。

 五月はそこから3mぐらい離れて立ちつくしていた。今日は髪を一本の三つ編みにまとめ、服はジーパンの上下を着て眼鏡をかけてきている。
 五月は、どうやら何事か悩んでいるようだが、多恵香が振り返ると覚悟を決めたのか、静かに歩み寄ってきた。

「そういえば、まだ種明かししてもらってないよね?」

 五月が口を開く前に、多恵香は五月に問いかける。

「え?」
「“アンサンブル”の機能について」
「あ・・・」

 最初、何の事かわからなかったようだが、多恵香に言われてやっと思い出したようだ。ついでに五月が言おうとした事は、タイミングを潰された形になる。

「さて、何か飲むかい?」

 場が凍る前に、聖が言葉を挟んだ。
 多恵香には、腹を立てると相手が話始めようとするタイミングを壊すと言う悪癖がある。よっぽど機嫌が悪くなければやらないのだが、どうやら笑顔のしたでかなり腹に据えているようだ。

「私はコーラ。五月は?」
「え? えーと、アイス・ウーロン茶を・・・」

 普通の人には、仲が良いようにしか見えないかもしれないが、多恵香の事を彼女の親より熟知している聖からみれば、刃物を背中に隠しながら握手をしているようにしか見えない。

「はいはい」

 聖は、苦笑しながら飲み物を取りに行った。その様子にカチンと来るものがあったらしく、ドリンクを受け取った多恵香は、思いっきり聖を睨みつけた。
 五月にアイスウーロン茶を渡すと、多恵香はコーラを片手にソファーに腰を下ろす。それを見て、五月はその向かいに腰をかけた。

「それでどうやればあんなに当たるの?」

 一息ついた所で、多恵香が話を切り出した。

「“アンサンブル”には、カメラポッドと連動して射線を修正する追尾型のロックシステムが付いているんです」
「カメラポッドってあのホーミングミサイル?」
「はい。“アンサンブル”は、こちらが動いてなければに限りますけど、20機までの対象を同時にロックオンできるんです。その後にカメラポッドを放出して複数の視点から位置を把握しなおして再修正をかけるようになってます。そして後はトリガー押しっぱなしで、ロックオンした対象の内、近い順に動いている対象に攻撃を仕掛けます」

 つまりは狙撃戦用のVPと言う事だろう。五月が言うには、今日は付けていなかったが本来はステルス素材で出来た“フード付きのマント”を装備しているのだと言う。

「・・・・いやなVPだわ」

 げんなりとした口調で多恵香がぼそりと呟く。

「でも鶴見の方には、一定範囲内に進入した対象が完全にがらくたになるか領域より出ていかない限り、全自動でホーミングミサイルによる攻撃を続けるってVPがあるそうですよ」

 多恵香の口調に何を感じ取ったのやら、五月がその言いように抗議する。

「なによそれ・・・」

 多恵香は呆れて無意識の内に呟く。

「それに比べれば“アンサンブル”なんて・・」

 まだ抗議はつづいているらしいが、多恵香はそれを無視する事にした。

「で、その話をする為にあたしに勝負を挑んだの?」
「え? いや、違うんです。そうじゃなくて・・・!」

 多恵香の言葉に五月は、腰を浮かせながら声を高めて多恵香の言葉を否定する。が、すぐにソファーに腰をおちつけた。人目を集めてしまったと思ったのだろう。すこし顔を赤らめた五月は、一つ深呼吸すると再び話を切り出した。

「“アンサンブル”の事は良いんです。それより“コンチェルト”の方乗ってみてどうでした?」

 唐突な話題の転換に、こんどは多恵香が少し慌てる番だ。

「え? いいVPだったわよ。最初はレディーメイドかと思ったけど、とんでもないパワーと機動力。気になった点を言うとすれば、操作に若干のタイムラグがある点と、攻撃力が乏しい点かな?」

 実際に、多恵香の乗った感じでは“コンチェルト”の機動力は“ウラヌス”に匹敵する。タイムラグにしても慣れればなんとでもなる問題だ。だが、五月の次の言葉は多恵香を驚愕させるに十分な言葉だった。

「・・・それは私にあわせて、火器管制を含めた全てにウェイトがかかっているからだと思います」
「ウェイト!?」
「はい。“コンチェルト”の方を、貴方にあわせればすむ問題です」

 驚く多恵香に、五月は淡々と言葉を繋ぐ。
 そして、ゆっくりと一息つくと五月は、多恵香に目をあわせて、今度こそ言おうとしていた一言を口にした。

「多恵香さん。私にあなたのVPを作らせてもらえませんか?」

 2人の間に沈黙が流れた。その間、五月はずっと多恵香に目をあわせたままだ。
 どれくらいたっただろう。先に沈黙をやぶったのは多恵香の方だった。

「・・・・それだけ?」

 再び2人の間に沈黙が流れる。
 暫くして多恵香がゆらりと立ち上がった。五月の身体がビクッと震える。

「もしかして、一週間もかけておいてそれだけなの?」
「え・・・あの、多恵香さん目が座ってますけど・・・」

 今までの最高の笑顔で問いかけながら、多恵香はゆっくりと机をまわって五月に近づいて行く。うっすらと冷や汗をかきながら後ずさる五月。

「いいわよ。作ってくれるって言うのなら断る理由は無いもの・・・」

 そう答えながら、五月の隣に腰を下ろす。

「本当ですか!?」
「うそ言ってもしかたないでしょ? ・・・・でも」

 瞬間、多恵香の笑みが猛獣が獲物を見つけたときのような獰猛な笑みに変わる。そして、それに五月は気づくことができなかった。

「え?」
「一週間ぶんのストレスは晴らさせなさいよ!」

 その一声と共に、突如、猛獣は獲物にヘッドロックの要領で横から押さえつけた。

「・・い・いた痛い痛い痛い~!」
「あたりまえでしょ。痛くしてるんだから♪」

 コニーパレスの中に少女の悲鳴が響き、二人は、周囲の人の目を一身に集めつづけた。

「・・・仲の良いことで」

 二人の様子をうかがっていた聖はくすりと小さく笑うと、安心して目の前の仕事を片付ける為に、カタカタとコンソールをたたき始めた。



To Be Continued!


あとがき
 今回はDPもVPも出てきません。・・・なんか、活劇物と化してるような(--;;
 次回は、新キャラ&新VPの登場です。きっちりDPの話ですのでご安心を(^^;

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